おすすめ本を料理のフルコースに見立てて選ぶ「本のフルコース」。
選者のお好きなテーマで「前菜/スープ/魚料理/肉料理/デザート」の5冊をご紹介!

第305回 2016年を振り返る《特選》フルコース

Vol.73 フルコース2016総集編

書店ナビ 北海道書店ナビが送る「5冊で『いただきます!』フルコース本」は、選者の方にお好きなワンテーマで5冊を紹介していただく企画です。 テーマに沿った選書なら、コミックでも専門書でもなんでもOK! しかも料理のフルコースに見立てて、軽めの《前菜》《スープ》から始まり、メインディッシュの《魚料理》《肉料理》を経て、余韻を楽しむ《デザート》の順に並べるところに、選者の個性が表れます。 2016年も総勢42人の方に42通りのフルコースを作っていただきました。 そこで新年をまたぐ総集編は、思い出深い特選フルコースをお届けします!
5冊で『いただきます!』フルコース本のつくりかた
1. フルコースをつくってくださる選者を決める・お願いする。「このテーマなら大好きな5冊がある!」というテーマ設定が、かなり重要。
2. 「前菜/スープ/魚料理/肉料理/デザート」に該当する本を記入した企画書兼取材シートを事前に送っていただく。「魚料理をやめてデザート2品」などのアレンジも大歓迎。
3. 取材(約1時間半)。実際に5冊を手に取りながら詳しいお話をうかがう。
4. 事前に内容を確認していただいてから掲載週の月曜朝10時に更新!

Vol. 49 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店 石丸 敬太さん

ピアノを弾いたことがないあなたに捧げる 「弾き手と観客をつなぐピアノ本」フルコース

ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた伝記映画『シャイン』をきっかけにピアノファンになった石丸さん。元はヘビメタ好き!

ふりかえりトーク 

書店員さんにフルコースを依頼するときは、彼・彼女たちの職業的な使命感は一度棚に上げていただいて「本当にご自分のお好きなテーマで」とお願いしています。そのほうが「ご本人らしさ」が出るというもの。 石丸敬太さんのときもズバリ、その狙いが的中! 映画で魅せられたピアノの音をより深く理解するためにピアノ本を読みふけるようになったといいます。

ご自身は聴き専門ですが、演奏を聴いて「自分の評価が正しいのか、それとも自分自身に知識が足りないからこう思うのか」自問するときに、ピアニストたちが自分の心情を書いた本は大いに参考になる、と語ります。 《デザート本》のあの人気コミックも「きちんと"オタク"(笑)」と太鼓判を押していたのが印象的でした。

Vol.32 らんこし作家デビュー・プロジェクト代表 高橋 伸次さん

蘭越町の○○さんが作家に!電子書籍で町おこし 「らんこし作家デビュー・プロジェクト」フルコース

人口5000人弱、約2300世帯が暮らす道南の蘭越町が2013年11月に立ち上げた一大プロジェクト。成功に導いたのは、電子書籍の簡易さだった。

ふりかえりトーク 

フルコースの取材は全道各地にうかがいます。ここ、蘭越町ではお隣のニセコ町に負けじと、世帯数の1%の町民または町の関係者が電子書籍作家デビューする「らんこし作家デビュー・プロジェクト」を実施! 全国から注目を集めました。

たいていの町民が「文章なんて書けない」と尻込みするなか、代表の高橋伸次さんをはじめスタッフが一人ずつ丁寧に"くどいて"いった根気と郷土愛あふれる試みは成功し、現在70冊近くの本をネットで公開中。 http://p.booklog.jp/users/rankoshi 題材も人材も揃っている蘭越町の魅力を町民自身の言葉で発信しています。

1皿目)Vol.41 石狩市民図書館 工藤 直揮さん

開幕直前に読んで応援スイッチON! 「燃える!プロ野球愛」フルコース

2皿目)Vol.56 レッドゾーン・プライス文教堂西岡店 佐藤 信也さん

コンササポーターの書店員が熱く推す! 「今年こそJ1昇格へ!コンサ応援本」フルコース

北海道民にとって2016年は特別なメモリアルイヤー! 日ハム、コンサともに艱難辛苦の時から声援を送り続けてきたファンの中に書店員もいた。

ふりかえりトーク 

祝!日本ハムファイターズ日本一。2016年は日頃野球に詳しくない人を含めて大勢の道民が札幌ドームに押しかけたロ野球シリーズでした。奇跡の連続のようなCSも、優勝を盛り上げる最高の演出になりました。 10年前の優勝パレードは偶然居合わせて紙吹雪舞う感動を味わったという石狩市民図書館の工藤さん、人生二度目のパレードも楽しまれたのでは?

日ハム日本一に全道がわいたあと、「もしかして…」と皆が期待し始めたのが、J1昇格がかかったコンサドーレ札幌のJ2優勝のW優勝でした。取材後の雑談で「今年昇格できなかったらコンササポは全員、メンタルやられるかも」と笑っていたレッドゾーン・プライス文教堂西岡店の佐藤信也さん、やりましたね!おめでとうございます、J1昇格です! 地元チームを応援するお二人のフルコースが格段おいしく感じる2016年でした。

Vol.36 寿郎社 代表取締役編集長 土肥 寿郎さん

われわれの頭からすっぽり抜け落ちている 《近現代史》を知るための本フルコース

2000年に設立した札幌の出版社、寿郎社。近現代史を専門とする編集長、土肥寿郎さんが「いまからでも読んでおきたい本」をセレクトしてくれた。

ふりかえりトーク 

フルコース企画の狙いは、実は単なる本の紹介ではありません。5冊の本を選んで紹介してくれる選者ご自身の人物像を明らかにするところを大切にしています。 2016年の42本のフルコースのなかから特選フルコースを選ぼうとしたとき、真っ先に決まったのが土肥編集長の近現代史本フルコースを《肉料理》にすることでした。 内容の濃厚さに加えて、その人にしかつくれないフルコースであり、「この企画を始めてよかった」と心底思わせてくれるものでした。

揺れる世界情勢、かしいでいくようにみえる身の回りの空気感。こういうときこそ本を読もう。私たちの目で、頭で考えるために。

Vol.48 ブックカフェ「風味絶佳」 佐藤 亜美さん

人気ブックカフェが贈る本とスイーツのマリアージュ 「ami chocolat ~あまくとろける1ピース~」

取材は佐藤さんのカフェオーナー仲間である柴田佳奈子さんが経営する、千歳市の「HOKKAIDOかもめ食堂」さんにご協力いただいた。

ふりかえりトーク 

上の写真をご覧ください、なんて美しい「本とスイーツ」のマリアージュ!北広島市のブックカフェ「風味絶佳」の佐藤亜美さんは北海道スイーツにも詳しく、日頃から応援しているパティシエさんのスイーツと組み合わせてお好きな本を紹介してくれました。

この徹底したコーディネートぶり、「さすが」の一言! お菓子の手配もアクセントになっているお花の盛りつけも全部、佐藤さんがおひとりでテキパキと進めてくださり、取材班はその手際の良さに見惚れるのみでした。 こちらが投げかけたことに対して誠心誠意で返してくださる佐藤さんのお人柄が甘い香りとともに伝わってくる回でした。

窓口&撮影担当K

番外の「アラカルト編」になりますが、2回にわたってご紹介した北海道教育大学岩見沢校芸術スポーツビジネス専攻スポーツマーケティング研究室専任講師の曽田雄志さんの回が、忘れられません。 クレバーかつ身体能力に優れた現役時代からファンでしたが、実際にお話をうかがうと正確な記憶や理路整然とした話し方など、いわゆる「地頭(じあたま)」がとても良い人だということに改めて驚かされました。球団代表を務める「ノルディーア北海道」もこの人ならきっと何とかしてくれる、そう感じさせる方でした。

WEB制作担当A

Vol.62 株式会社メディアネットコーポレーション代表取締役土田博文さん「少年に『真の男とは』を教えてくれる『大好き!松本零士本』フルコース」。本以外のグッズも大切に保管されており、松本ワールドが土田さんの人生の一部になっていると感じました。愛情をもって生きていると、松本零士さんに直接取材ができたり同業者さんが取材時間を譲ってくれたという話も良かった。男の夢が詰まっておりました。

取材・原稿担当S

Vol.51 三省堂書店札幌店の礒野桂さん「キキとジジの物語は続いています『魔女の宅急便』全6巻&特別編フルコース」。取材後、原稿を書く前に全7冊読みました。シリーズをまるごとご紹介していただいた面白さと、恥ずかしながら未読だったこのシリーズに大人になってから出会えてよかったと素直に思わせてもらいました。 

  今年一年ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。本を通してその人自身が見えてくる最高のフルコース、ごちそうさまでした! 2017年は100人100フルコース達成も視野に入れつつ、北海道書店ナビをご覧の皆様に素敵なフルコースをお届けしてまいります!

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