第603回 BOOKニュース6月後半編
- 道内19の高校の図書委員123人が同世代に読んでほしい本を選書
「図書委員の私が選んだ本が、本屋のフェアになっていた件。」 - 新作を加えた「すずきももが描く金子みすゞの詩の世界」
6/16(日)~30日(日)at 旭川・こども冨貴堂 - 亜璃西社創立35周年記念出版は「地酒」がテーマ!
6/23(日)13:00~トークイベント「ラベルの美でたどる北酒造史」 - 印刷と紙の魅力が満載!「札幌大同印刷文房具フェア」
7/2(火)まで大丸藤井セントラル2階で好評開催中!
[2024.6.17]
[今週の一枚]
2024年6月初旬、白老町のまたたび文庫さんから「手相de選書」が届く。左手の画像を送るとコースの価格に応じて複数冊選書してくれるユニークなサービスだ。感情線や知能線などの解説の中に「プロ意識」という一言があり、うれしかった。この選書は人へのプレゼントにもいいと思う。
道内19の高校の図書委員123人が同世代に読んでほしい本を選書
「図書委員の私が選んだ本が、本屋のフェアになっていた件。」
2010年と昔の話で恐縮だが、かつて札幌のくすみ書房が「高校生はこれを読め!」というフェアを展開したが、このときの選者は「本を愛する大人たちのおせっかい」というキャッチコピーのとおり、久住邦晴店長をはじめとする大人たちだった。
今週から始まる「図書委員の私が選んだ本が、本屋のフェアになっていた件。」の「私」とは、北海道の各高校で図書委員を務める現役の高校生たち。
高校生から高校生へーー。みずみずしい選書が楽しみなフェアが三省堂書店札幌店で始まっている(執筆時点で6月17日スタート予定)。
発案者は三省堂書店本店の工藤志昇さん。トーハン北海道支店と北海道高等学校文化連盟図書専門部の協力を得て、道内19の高校の図書委員123人からの回答が集まった。
期間中はその選書リストを冊子にまとめて店頭で無料配布するという。
リストを見ると、アニメや実写化でおなじみのコミックやラノベの他に森見登美彦や辻村深月、知念実希人などの国内人気作家に混じって、ピエール・メートル『悲しみのイレーヌ』やパオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』、ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』などの海外作家の名前も見つかり、高校生たちの関心の広さがうかがえる。
「図書委員の私が選んだ本が、本屋のフェアになっていた件。」はこの後、紀伊國屋書店厚別店や大垣書店マルヤマクラス店、ジュンク堂書店旭川店、イオン登別・イオン静内、釧路市のBOOKS HIROSEイオン店などでも展開予定。
道内書店の枠を超えて「私」たちが選んだタイトルが本屋さんに並ぶ。大人もぜひ目に焼きつけてほしい2024年夏の本屋さんの光景だ。
新作を加えた「すずきももが描く金子みすゞの詩の世界」
6/16(日)~30日(日)at 旭川・こども冨貴堂
札幌の人気イラストレーターすずきももさんが金子みすゞの詩の世界を描いた展示が、旭川のこども冨貴堂で始まった。
金子みすゞ(1903年~1930年)は「わたしと小鳥とすずと」や「大漁」など、永く心に残る詩を残した山口県生まれの童謡詩人。
「どの作品からも溢れ出す貫かれた優しさ」(金子みすゞ記念館解説より引用)を、札幌で活躍するすずきももさんがどう受け止めたのか。原画でたっぷりとお楽しみいただきたい。
会期中、同時にすずきさんと詩人であり「俊カフェ」オーナーの古川奈央さんの共作「おやつのうた」の原画も展示されるという。
古川さんが選んだ9つのおやつの詩にすずきさんが色鉛筆で絵をつけた『おやつのうた』は文庫サイズで800円。俊カフェで発売している。作中の「ひつじがおのあまいの」には実在のモデル商品あり。道産スイーツ好きの方はすぐわかるかも?
本作は『わくわくおやつ手帖』(北海道新聞社)などの著書があるすずきさんと古川さんの初コラボ作品。「奈央さんから上がってきた詩を読むとどんどんイメージが湧いて、すぐ下書きのスケッチが出来上がりました。本描きもとても楽しく描きました」とすずきさんが語れば、「ももさんが夢のある絵に仕上げてくれてとても嬉しかったです!」と古川さんも作品完成当時の喜びを振り返る。
金子みすゞと、「食いしん坊のふたり」が紡ぐおやつの世界。旭川近隣の方はどうぞ、お見逃しなく。
亜璃西社創立35周年記念出版は「地酒」がテーマ!
6/23(日)13:00~トークイベント「ラベルの美でたどる北酒造史」
2024年春に令和5年度の「アート選奨K基金賞」を受賞した札幌の老舗出版社・亜璃西社。ただいま創立35周年記念出版となる『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』が好評発売中だ。
- ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー
美麗なラベルと銘酒150余年の歩み
能登亨樹/編著 和田由美/監修 亜璃西社 - 巻頭特集はレトロラベルコレクション。 幻の地酒ラベルや北海道の酒造史、明治期から令和まで「ラベルでたどる北の酒蔵」、北海道の酒米など見応えある内容がギッシリ!
この発売を記念して6月23日(日)には、紀伊国屋書店札幌本店でトークイベントが開催される。
第1部(13:30~14:20)は著者の能登亨樹さんと監修者でエッセイストの和田由美さん、発酵学者の小泉武夫東京農業大学名誉教授の3人で「ラベルで知る北の酒造史」をテーマに語り合い、第2部(14:30~15:30)は小泉氏による講演「日本酒、その粋な世界」を予定。
入場無料で事前予約も不要。お誘い合わせのうえ、気軽にお運びを。
亜璃西社『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』刊行記念トークイベント
「ラベルの美でたどる北の酒造史~開拓と暮らしを支えた地酒のあゆみ」
日時 2024年6月23日(日)13:30~15:30 入場無料・事前予約不要
会場 紀伊國屋書店札幌本店1F インナーガーデン
(札幌市中央区北5西5-7 sapporo55ビル)
問い合わせ 紀伊國屋書店札幌本店 電話011-231-2131
印刷と紙の魅力が満載!「札幌大同印刷文房具フェア」
7/2(火)まで大丸藤井セントラル2階で好評開催中!
社内に優れたデザイン部署を持つ札幌大同印刷は「もっと暮らしの中にあそびゴコロがあってもいい」という想いからこれまで数々のユニークなオリジナル文房具を発表。
そんな個性的なDAIDO Stationeriesを集めた「札幌大同印刷文房具フェア」が、6月13日(木)から札幌市中央区の大丸藤井セントラル2階 文具のフロアでスタートした。
ユニークな発想や「確かに!」と思わず納得してしまうアイデアが光るDAIDO Stationeries。
一般的なペーパークラフトでは物足りない人たちにはこちら。今年の夏休みの自由研究にもおすすめ!
ちょっとしたお礼やプレゼントを渡すときに特別感を盛ることができる「髪袋」。
ねこの手も借りたい人に。肉球を触ると幸せな気持ちになれる「cat’s hand memo」3種類。
6月22日(土)には「好きな紙が選べるリングノートづくり」も開催。
大同印刷から持ち込まれたリング製本機を使い、6種の本文紙と5種の表紙の中から選んだ好きな組み合わせでA5サイズ・100ページのリングノートを仕上げてくれるという。
あそびゴコロをデザインに乗せて印刷と紙の魅力が詰まった3週間をどうぞお楽しみに!