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第573回 BOOKニュース 2023年5月編

[BOOKニュース] 道内170 市町村の「わが町」本と特色ある26館を紹介 『北海道の図書館員が勧めるブックガイド』発行記念トークレポート  俊カフェで参加申し込みスタート!2023年8月・9月開催 『あふれでたのはやさしさだった?奈良少年刑務所の少年たちのお話』『詩画集 目に見えぬ詩集』著者たちを招いたトークイベント

【NEWS01】 道内170 市町村の「わが町」本と特色ある26館を紹介
『北海道の図書館員が勧めるブックガイド』発行記念トークレポート

札幌の加藤重男さんが2023年3月に上梓した新刊『わが町を知ってもらうなら!北海道の図書館員が勧めるブックガイド』(中西出版)の出版記念トークイベントが、4月29日に紀伊國屋書店札幌本店で開催された。

わが町を知ってもらうなら! 北海道の図書館員が勧めるブックガイド

わが町を知ってもらうなら!
北海道の図書館員が勧めるブックガイド

野口武悟・青木竜馬監修、加藤重男編著  中西出版
自分たちのまちを知ってもらうための選書アンケートに回答した170市町村の公共図書館や図書室によるブックガイド。26館の図書館員インタビューや、いわた書店・まちライブラリー・北海道ブックシェアリング等関係者のコラムも掲載。

 

現在、フリーで本に関するイベント等を企画する加藤さんは図書館司書の資格を持ち、書店や出版社、取次会社にも勤めたことがある多彩なキャリアの持ち主。 2018年春に東京から札幌に移住し、新刊イベントや図書館展示のコーディネートをするかたわら、有志と共に北海道図書館研究会を立ち上げ。業界活性化のためのネットワークづくりに尽力してきた。

本書は、本に関するデータベース企業・日外アソシエーツの青木竜馬氏が掲げた「図書館が旅の目的地になるような図書館ツーリズム」がコンセプト。 全道の公共図書館に「わが町を知ってもらうなら!どんな一冊を選びますか?」というアンケートを送付し、回答した170館の回答を掲載している。

図書館側が選んだ「わが町」本のジャンルは、広報誌や郷土史だけとは限らない。 例えば、岩見沢市立図書館は市内の豪雪地帯・美流渡(みると)地区に暮らす編集者の來嶋路子さんが協力して、北海道教育大学の学生26名が「決して便利ではない」美流渡及び近隣エリアに住み続ける人々や移住組にインタビューした『いなかのほんね』を紹介。 2021年に美流渡に移住した画家MAYA MAXXさんのインタビューも載っている(MAYA MAXXさんは表紙と奥付のイラストも描いている)。

いなかのほんね

いなかのほんね
北海道教育大学の学生26名+來嶋路子  中西出版
北海道岩見沢市の山あいの過疎地、美流渡(みると)・毛陽(もうよう)、万字(まんじ)地区は街中の人々からは不便な田舎と言われるが、近年、移住者が増えている。なぜ、この地に惹かれ、この地に住むのか? いいことも悪いこともすべてを語った"本音"の物語。

 

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紀伊國屋書店でのトークは書店ナビのライター佐藤優子が進行役。江差町図書館が選んだ『7394 五勝手屋本舗創業150周年記念絵本』を紹介した。絵本は五勝手本舗のオンラインストアで購入できる。

観光大国北海道には食や温泉を目的とするガイドブックは多々あるが、図書館がすすめるブックガイドを通してそのまちに関心を持ってもらう「ブックガイド=ガイドブック」という新しい広報のあり方に先鞭をつけた一冊といえる。

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この日は専修大学教授で本書の監修者でもある野口武悟さんも来場。「北海道の公共図書館がこんなに個性豊かで面白いとは、私も本書を通して初めて知りました」

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5月6日には江別蔦屋書店でもトークを開催(画像提供:江別蔦屋書店)。ご覧の通り、「わが町」本にはそのまちを舞台にした小説やコミックもある。気になる一冊から読書の旅を楽しんでもらいたい。

JRタワーステラプレイス5階にある三省堂書店札幌店でも5月15日(月)から本書発売記念のフェアをスタート!(~6月25日(日)予定)「わが町」本をはじめ北海道関連本やゆかりの作家の作品を振興局別に並べているので、そちらもあわせてお立ち寄りを!

【NEWS02】
俊カフェで参加申し込みスタート!2023年8月・9月開催
『あふれでたのはやさしさだった~奈良少年刑務所の少年たちのお話』『詩画集 目に見えぬ詩集』著者たちを招いたトークイベント

詩人の谷川俊太郎さん公認のブックカフェ「俊カフェ」で8月、9月と続けて素敵なトークイベントが開催される。

8月には奈良少年刑務所で長年「物語の教室」を開いていた作家の寮美千子さんを、9月には『詩画集 目に見えぬ詩集』の著者・編集者たちを招き、それぞれの本に注がれた思いを語る場が用意されている。
どちらも貴重な機会、ぜひお見逃しなく。

●寮美千子さんが語る『あふれでたのはやさしさだった~奈良少年刑務所の少年たちのお話』

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童話からノンフィクションまで幅広いジャンルで執筆している作家の寮美千子さんは、2007年から9年間にわたり奈良少年刑務所で社会性涵養プログラムの講師を担当。2018年に出版された『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(西日本出版社)では、そこで開催した「物語の教室」がもたらした少年たちの心の変化を綴っている。
この日は著者自身が少年たちのことを語ります(当日は寮さんの著書販売&サイン会も開催)。

・日時 2023年8月26日(土)12:30開場 13:00開演
・料金:3500円(1ドリンク付き) 定員25名様(要予約)

●谷川俊太郎・沙羅 詩画集『詩画集 目に見えぬ詩集』原画展とトークイベント

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2022年10月に出版された『詩画集 目に見えぬ詩集』(Book&Design)は、谷川俊太郎さんの詩と沙羅さんの木版画で構成されたアートブック。谷川俊太郎さんと数々のプロジェクトを行ってきた製本会社、美篶堂(みすずどう)の上島明子さんが選詩も担当し、本文書体には谷川さんの詩のために書体設計士の鳥海修氏が作ったオリジナル書体「朝靄(あさもや)」が使用されている。 俊カフェでのトークイベントには沙羅さんと上島さん、出版元であるBook&Design代表の宮後優子さんが登場。
谷川俊太郎ファンだけでなく、「本が出来上がるまで」に関心がある方ならきっと楽しめるお話が聞けそうだ。

・原画展 2023年8月21日(月)~9月3日(日)
・トークイベント 9月3日(日)14:00~16:00 料金:3500円(1ドリンク付き) 定員25名様(要予約)

●どちらのイベントも会場・お問い合わせ・お申し込みは俊カフェまで

札幌市中央区南3条西7丁目4-1 KAKU IMAGINATION2F
TEL011-211-0204 または各種SNSでお申し込みを。

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